深見真さんの小説に嵌って
- 作者: 深見真,ふゆの春秋
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2012/07/30
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最近「深見真」さんという作家の小説にド嵌りした。きっかけは『僕の学校の暗殺部』というファミ通文庫のライトノベルで、表紙に僕の好きなイラストレーター「ふゆの春秋」さんがSIG550アサルトライフルを持った女の子を書いていた為にジャケ買いしてみたら、これがまぁ面白い。
ライトノベルにあるまじき暴力描写(監禁、拷問、殺戮)の綿密さ、それを生み出す少年少女の思春期的感情、臨場感溢れる銃器描写の数々に、僕のアンテナは反応しっ放しという訳で。
「誰もが知らない自分だけの秘密」を持ちたいというのは、思春期にありがちな願望で、例えば魔法少女だとかヒーローだとかに憧れたりした人も居たはず。暗殺部という特異な部活において、絶対悪とされる「いるか人間」を仲間と共に殺していく主人公零士は、多分僕達がかつて憧れた存在の具現だ。ひ弱なコンプレックスを抱いていながらも、「銃」という武器を手にした事によって、肥大化した力を手に入れる。そうする事で自分が強大化した錯覚をする。読者はそんな零士と自分を重ね合わせ、引き金を引く快感と、敵を撃ち抜く生々しさを共有する。しかしその代償はきちんと帰ってくる。殺したものがあれば、喪うものがあるのもまた道理だからだ。
あとは『疾走する思春期のパラベラム』や『ヤングガン・カルナバル』など。
とりあえず銃と少年少女(あと暴力)が好きならば絶対に楽しめる作品を書いてくれるのが深見真さん。作者がとてつもない銃器、哲学、格闘技の知識を有しているのがありありと解る作風で、思わす「へえ」となってしまう描写も多々。ベルグソン(哲学者)が出て来たライトノベルなんて初めて見たよ。
暴走する思春期の鬱屈したストレスを解消するのは、即ち発砲そのものなのである。
- 作者: 深見真,うなじ
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- 作者: 深見真,蕗野冬
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