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402号室の鏡像

あるいはその裏側

アニメ版『アイドルマスター』『アイドルマスター シンデレラガールズ』の違いとは?

アニマスとデレアニを比べる呟きをする方を見かけるたびに考え方は人それぞれですしスルーすればいいと思いつつもモヤモヤしてしまいます。どう思えばよいのでしょう? 」という問いがaskに来まして、それに答えた所意外にそこそこ反応があった為、こちらに加筆修正版を載せようかと思います。ここなら長くても違和感ないでしょ!

 ――すごくわかります。比較すること自体はとてもいい事だと思いますし、事実製作もそれを意識してやっている節はあるかと思いますが(みくの立てこもりと美希のアレとか。あと、明確にアニマスとデレアニが時系列的に地続きな描写がありますよね)、ネガティブなそれだとあまり気持ちのいいものではありませんね。なのでまず、自分の考え方を書きだしてみようかなと思います。

 まずアニマスとデレアニの差異として「アイドルを初めから目指していたか」というののが大きな違いだと思うんですよね。765プロの皆は初めから「アイドル」というものに対して明確なビジョンがあり、トップアイドルを目指すという目標があって、それの為に皆苦手な仕事だってやっています。だから少し環境がわるくたって*1がんばれる。(千早は少し違いましたが、彼女も歌メインという所ではっきりとした意思があって体張った仕事もしてましたね)

 しかし卯月たちはちょっと違う。まず最初にスカウトされた時点で、アイドルに対してほんわかとしたイメージしか抱いていなかった。未央や凛はそもそも普通の学生で、養成所でレッスンしていた卯月でさえ、デビュー後にどうなりたいかはあまり口にしている印象はありませんよね。それに346プロの皆は潤沢な予算と教育環境が与えられていて、既に高垣楓城ヶ崎美嘉という、いわゆるトップアイドルに近しい存在をすぐそばに感じられる場所にいる。

 だからアニマスは「女の子が自分で夢に向かっていく」それに対しデレアニは「普通の女の子がプロデューサーに導かれてアイドルになる」という違いがあると思うんですよね。アイドルたちが能動的か受動的かの違いだと僕は今のところ感じています。
 
 アニマスの場合、プロデューサーが積極的にコミュニケーションする場面は最低限違和感がないものにとどめられていたと思います。重要な位置にはいたものの、それはあくまで導くもので、アイドルたちが手を取り合って成長していくのが物語の肝だった。(千早を救ったのも春香の献身的な態度で、その逆も然りでした)

 デレアニの場合は、まさしくプロットの時点からシンデレラストーリーをなぞっており、日常に埋もれていた可能性の原石をプロデューサーが見つけていく物語だと思います。だからゆえに、武内Pという王子様的ポジション*2がかなり濃くキャラ付けされており、その過去まで示唆*3されています。その時点でアニマスのPとは随分と違う描かれ方がしているんですね。しかしそれ故に、アイドル側が受動的になったまま来てしまったのが六話だったと思います。Pに仕事を任せきりにし、その全容や目指すところを観ないまま、そのまま夢から醒めることはなく、結果そのツケを払う事になった。

 だからそう言う、アイドル達とプロデューサーの関係や、アイドル達の動き方に注目すると他にも色々な差異が浮き出てきて比較すること自体は凄く楽しいし意味がある行為だと思いますが、やはり歴史あるコンテンツですしファンも多く、その中で悪い意見が目立ってしまうのも致し方ない事だと思います。事実、六話のような衝撃的な内容は、賛否両論あるだろうし、製作側もそれを覚悟の上で送りだしている物語だということが伝わって来ます。
月並みな事しか言えなくて申し訳ないのですが、この問いに関しては「自分が作品に対して『こうだ!』という思いや考察を持っておく」という事が一番いいと思います。あくまで僕の話ですけど、そういう考察や愛情を持っていると、例えばアンチの意見に対しても「でも僕はこう思うから、こいつの意見は的外れだな。気にしないでおこう」と考えることが出来ます(顔真っ赤にして反論したら無意味ですけどね!)。だからスルーせずとも、それはそれで受け止めて、自分の中で反芻したあとに、自分の中の考えと照らし合わせて取捨選択するのが大事なのではなーと考えます。そうすれば、健やかな気持ちで意見交換しながら、両作品をめいっぱい楽しめるのではないかな?
 
 なにせ、どちらも同じ『アイドルマスター』。僕らはみんなアイマスが大好きなんだから。

*1:デレアニを見た後だと765プロがいかに貧乏なのか思い知らされるので、ミリオンライブアニメ化の際は是非とも事務所がアップグレードしていることを切に願う。……うん、黒井社長に騙される気しかしない。

*2:あとで意見があって気付かされたのですが、王子様だけではなく魔法使いの役割も担っていること、しかし王子様にしては彼がまだ無力なこと。この事から、シンデレラと王子様がお互いに魔法にかけられて、共に舞台に上がっていくという、アイドルとプロデューサー、両方の成長物語なのかなとかも感じました。

*3:個人的に過去を推測するならば、六話で引き出しにあったペンライトと、未央に「アイドルやめる!」と言われた時の表情が鍵かなと思ってます。寡黙だけど実は情熱的な所があったり、結構素の感情表現は豊かなところ、実は意図的に感情を表に出さないようにしているのかなと推測出来る気がします。彼がかつて言葉に任せ何かを言い過ぎた為、担当アイドルをやめさせてしまったのしれない。だからあの時未央に言われた言葉に、あそこまで動揺してしまったと考えると辻褄があうのかなーとか思ったり。