402号室の鏡像

あるいはその裏側

『フェニックス・インシデント/襲来』感想

1997年3月13日の夜、アリゾナ州フェニックスの上空で正体不明の光が長時間にわたり目撃された。
同日夜、撮影旅行中の男性4人がアリゾナ州フェニックスのエストレラ山中で忽然と姿を消す。
遺体は発見されず、痕跡や手掛かりも一切ないまま、未解決事件として彼らの失踪は処理された。
そして、事件から17年が経過した今、一人のジャーナリストによって持ち込まれた軍部の機密文書、
当時の記録フッテージ内部告発者による証言などによって事件の真相が初めて明かされる。
そこには、米軍がひた隠しにしてきた衝撃の事実があった…

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 最近流行りの証拠映像(ファウンド・フッテージ)系POV映画。この手の宇宙人誘拐モノはあまりにありふれ過ぎて食傷気味なのだけど、実話を元にした陰謀論絡みの話と聞くと、触手が伸びずには居られなかった。冒頭は結構ワクワクさせられて、1997年に起きたとある事件から、国連軍は未確認の侵略者と極秘裏に戦争を続けており、その発端となったのがこの事件。
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事件に巻き込まれた青年たちが撮影していたビデオを元に、遺族や関係者の証言、そして当時従軍していたパイロットが事件の現状を語るという作風が結構なリアリティを出してくれていて、まさしく封印されてきた歴史が明かされるワクワク感があった。単なる青年たちの記録映像で終始することなく、例えば監視カメラの映像や、米軍の爆撃機からの映像、何よりF15のパイロット視点から記録された三角型UFOとのドッグファイト映像なんか滅茶苦茶カッコ良くてそれだけで観た価値あったと思う。そこからUFOが撃墜されて民間人の青年たちが墜落現場に観に行ってしまったことから彼らが襲われるという流れも自然だったのだけど、明らかに知性を持った宇宙人が操縦していそうなUFOから四足歩行の怪物じみた宇宙生物がワラワラと出てくるのには若干違和感を覚えた。とはいえ、米軍と宇宙人との初交戦に当たって生じた民間人の犠牲が隠蔽され、歴史の裏側では今でも宇宙人との全面戦争が続けられている――と考えると、結構悪くない映画だと思う。
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