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402号室の鏡像

あるいはその裏側

歌姫庭園10お疲れ様でした。お礼とあとがきの代わりに

 歌姫庭園10参加された方、サークル参加者一般参加者お互いにお疲れ様でした。僕は諸事情でその場に足を運べなかったのですが、ツイッターの様子では大盛況のようで僕も嬉しかったです。一万字程度のコピー本ですが、僕が七尾百合子に対して思う気持ちに共感して頂けたらとか、単純に物語として楽しんで頂けたら幸いでございます。

 さて、小説のあとがきに代えてですが、本の内容について少々。

 単純に、僕自身が女の子同士がわちゃわちゃする話が苦手とか、ほんわかなストーリーを書くのが苦手という気持ちが大きくて*1、そういう意味でアイマスのコンテンツを愛する気持ちはあってもなんとなく二次創作に手が伸びずに居た現状があったのですが、そこで思いついたのが「第三者目線でアイドルを見る」という物語の形式でした。

 いろんな人が既にこのスタイルで小説やら漫画を書いているので何番煎じだよという話なのですが、この書き方は個人的なアイドルマスターのプレイスタイルになんとなく近かったんですよね。僕自身がプロデューサーとして積極的にアイドル達を導くのではなく、彼女たちが自分の力で困難を解決し、栄光を掴み取るまでの道筋を、その物語の脇で見守っていたい。そんな些細なアイドルとの関係が僕の中でのプロデューススタイルでした。*2だからこそ七尾百合子のデビュー前とデビュー後をクラスメイトの男の子の目線を通して書く次第に至った訳ですけど、それで一番書きたかったのは何かというと「デビュー前もデビュー後も、七尾百合子という少女の骨子は変わっていない」という所です。

 一介の文学少女だった彼女が、何故大衆の目に触れて歌い、踊るアイドルを目指したのか。運動神経も頭脳も平凡な少女は、何故そのまま、普遍的な人生を送る選択肢を選ばなかったのか。

 それはきっと百合子が語った「百年後まで読まれ続ける一冊の本のように誰かのココロに残るアイドルを目指す」という言葉に集約されていると僕は思います。様々な人に、色々な形で自分の姿を見てもらうこと、彼女が古今東西、新旧問わず多くの本に紡がれた物語に多くを学び、夢や希望を抱いたように、それは自分自身の物語を多くの人々に語り継ぎ、多くの人々に希望を与える存在になりたい――と、僕はそう言い切った七尾百合子に、途方もない強さを感じました。デビュー前からこんなことを誰に臆することなく言いきれたならば、彼女が抱いた理想はきっと、最後まで色褪せること無く輝き続けるだろうなと、僕は彼女の言葉に眩しくも、頼もしさを覚えました。

 ある時は魔女に、ある時は海賊に、ある時はヒーローに――際限無き好奇心を瞳に讃えた彼女の可能性を叶えられる可能性があるのが、きっとアイドルという存在で。だから、彼女はこれからもきっと、夢を目指してただ走り続ける。理不尽に歯噛みしようと、悔しさに涙を流せど、きっといつだって、何度だって前を向いて、その瞳でまだ見ぬ未来を見据え続ける。

 そんな七尾百合子の姿に魅せられ、そして惹かれた人はきっと僕以外にもいるはず。ある少年の記憶、思春期の一幕に色濃く残った少女の姿が、この物語の主題でした。

 これからもそんな彼女を見守っていきたいと思うと同時に、彼女の魅力や可能性を広げられる物語をもっと書いてきたいと執筆を通じて再確認しました。

 またの機会に何か書くと思うので、その際は是非よろしくお願いいたします。

*1:銃弾が飛び交ったり人類が滅亡したりグロテスクなモンスターが人間を捕食したりする作品のほうが得意です

*2:赤羽根Pとか武内Pは相当に作り込まれたキャラクターとして物語の中に挿入されているので、積極的にアイドルたちと関わっていても物語として違和感無く成り立っている。だからあれは僕らの分身には成りえないひとりの人間で、だからこそ仮に僕がアイドルマスターのPとして関わるとしたら、最低限の干渉でいたい